膝痛(変形性膝関節症・鵞足炎・ジャンパー膝・膝蓋下脂肪体炎)

膝痛の原因は、半月板損傷や内・外側側副靭帯損傷、前・後十字靭帯損傷、変形性膝関節症、鵞足炎、ジャンパー膝、膝蓋下脂肪体炎、他多岐にわたっています。

・変形性膝関節症

鍼灸治療の対象として多いのはやはり変形性膝関節症です。
加齢による膝関節の変性疾患で、65歳以上の方に多く発症します。
椅子から立ち上がる時や歩き出し、階段昇降時に痛みが出現し、膝が伸びにくい、正座が出来ないなどの症状を訴えます。
痛みを出す部位は、内側関節裂隙部や鵞足部、膝蓋骨内側縁等です。
病気が進行するとO脚(内反変形)をきたします。

・膝蓋下脂肪体炎

膝を酷使するスポーツや労働者に多く、運動時痛と軽度の伸展障害があります。
膝蓋骨下のくぼみ部分に圧痛がみられます。
外傷による膝蓋下脂肪体の小出血により、細胞浸潤を起こし、脂肪体の硬化・肥厚を起こします。

・鵞足炎

縫工筋・薄筋・半腱様筋の脛骨内側の付着部 の腱組織が炎症を起こし、鵞足部に圧痛と腫脹をみとめます。長距離ランナーがなりやすいです。

・ジャンパー膝・膝蓋靱帯炎

10代~20代のスポーツ選手に多く、ジャンプを繰り返し行ったり、走る動作の多いスポーツで発症します。膝蓋靱帯に過大な負荷がかかり、膝蓋骨下端や上端、膝蓋靱帯部に炎症、痛みを起こします。
 

【治療】

治療は膝蓋骨の上下左右、大腿前面・外側内側、膝関節の内・外側、膝裏など圧痛点を確認しながら、そこに痛みを出していると考えられる筋肉の拘縮を解いていきます。
また、靱帯や脂肪体も刺鍼対象としていきます。
 筋肉としては、大腿四頭筋(大腿直筋・中間広筋・内側広筋・外側広筋)・膝窩筋・足底筋・大腰筋・腸骨筋・縫工筋・薄筋・半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋・小殿筋・内転筋・下腿三頭筋などです。